今回は『脂肪を燃焼させる』です。
身体に付いた脂肪を落としたいという方が多いと思います。
今回は、脂肪を落とす方法・メカニズムを解説します。
結論
脂肪を燃焼させるための条件は
結論
- 摂取カロリー< 消費カロリーの状態にする
- クレアチン・解糖系のエネルギー切れの状態にする
結論としては、この二つです。
順番に、これらの解説をしたいと思います。
脂肪の役割とは?
脂肪の役割は
- エネルギーの貯蔵
- 体温の保持
- ビタミンの吸収を促す
と様々な役割があります。
特にエネルギーの貯蔵というところが大きな役割を果たしています。
脂肪は、1gで9kcalものエネルギーを持っています。
ちなみに、炭水化物・タンパク質は1g当たり4kcalですので、脂肪の半分以下のエネルギーしか持っていません。
身体にエネルギーがなくなっても、脂肪を燃焼させていくことでエネルギーを作り出せるという構造になっています。
逆説的に言えば、脂肪を燃焼させるには、脂肪以外のエネルギーを空っぽにしてしまわなければいけません。
摂取カロリーと消費カロリー
先ほども書きましたが、脂肪以外のエネルギーを使ってしまわなければいけないです。
そのため、食事などで摂取するカロリーよりも、基礎代謝+身体を動かして消費するカロリーの方が大きくならないといけません。
ポイント
摂取カロリー<消費カロリー
このような状態にならなければ、脂肪を減らすことはできません。
摂取カロリー>消費カロリーで脂肪が減ることは、ありえませんのでココはしっかりと理解しておきましょう。
クレアチン・解糖系のエネルギー
最初の結論にも書きましたが、クレアチン・解糖系のエネルギー切れの状態にするということも大切です。
身体のエネルギー消費にはいくつか種類があります。
- クレアチン酸系
- 解糖系
- 有酸素系
クレアチン酸系
クレアチン酸系のエネルギーは、運動開始から10-15秒程度でなくなります。
瞬発的に力を出すためのエネルギー回路です。
解糖系
解糖系は30-40秒で一気に力を発揮し、3分程度までは主に解糖系のエネルギーを使用します。
解糖系もクレアチン酸系と同様に瞬発的な動き、100m走などのような場面で強くエネルギーを消費するエネルギー回路です。
有酸素系
有酸素系は、長時間に渡りエネルギーを使用します。
マラソンなどは、有酸素系のエネルギー回路をメインとします。
有酸素系のエネルギー回路は脂肪などを利用しエネルギーに変換するので、脂肪燃焼効果もあります。
有酸素運動で脂肪燃焼
最近では、有酸素運動では脂肪燃焼しない。という記事も見かけます。
これは、半分正解・半分間違いです。
有酸素運動"だけ"では、脂肪燃焼効果は薄いです。
※脂肪燃焼しないわけではない
きちんと、脂肪を燃焼する状態でないと有酸素運動の脂肪燃焼効果は薄まりますので注意が必要です。
脂肪燃焼しやすい状態とは?
脂肪燃焼しやすい状態とは、クレアチン・解糖系のエネルギー切れの状態にすることです。
クレアチン・解糖系をエネルギー切れにするには、無酸素運動が必要です。
つまり、筋トレが非常に有効です。
筋トレは無酸素運動で瞬発的な動きが多いので、クレアチン・解糖系のエネルギーを非常に多く使用します。
筋トレを最初に実施し、クレアチン・解糖系のエネルギーを極力減らしておいてから有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・ランニングなど)を行うことがベストです。
筋トレと有酸素運動の併用
脂肪燃焼には筋トレと有酸素運動の併用が良いかと思います。
From our observations, combination exercise gave greater benefits for weight loss, fat loss and cardio-respiratory fitness than aerobic and resistance training modalities.
1)文献引用
翻訳
私たちの観察では、コンビネーションエクササイズ(レジスタンストレーニングと有酸素運動)は有酸素運動やレジスタンストレーニングよりも、体重減少、脂肪減少、心肺機能の向上に大きな効果があることがわかりました。
などの研究結果もあるので、脂肪燃焼を目的とするのであれば筋トレと有酸素運動の併用をオススメします。
有酸素運動を先に行うことは?
有酸素運動を筋トレ前に行うことでも脂肪燃焼効果はあると思います。
しかし、エネルギー使用の順番などの話も書いたように理論上では、有酸素運動を後にした方が良いのではないかと僕は考えています。
まとめ
今回は、脂肪を燃焼させるについて書きました。
身体に付いている脂肪はエネルギー貯蔵の意味がありますので、脂肪が燃焼するのは最後となります。
そのため、脂肪を減らすのには根気が非常に大事になりますが、少しでも効率よく脂肪を燃焼させるために筋トレ→有酸素運動と実施しましょう。
ありがとうございました。
参考・引用文献
- Suleen S Ho, The effect of 12 weeks of aerobic, resistance or combination exercise training on cardiovascular risk factors in the overweight and obese in a randomized trial BMC Public Health volume 12, Article number: 704 (2012)