今回は『腰痛の原因・治し方・対策』です。
デスクワーク・テレワークなどが多くなり腰痛に悩まされる方も多いかと思います。
さらに、最近ではトレーニングをされる方も増えてきて、それにより腰痛を発症した方もおられると思います。
腰痛の原因・治し方は・対策をメカニズムと共に解説していきます。
結論
腰痛は筋疲労やオーバーワークが原因がほとんどです。
- ストレッチ
- トレーニングを休む
- 姿勢を随時変えること(姿勢改善)
で治すことができます。
対策は
- 股関節可動域の増加
- 腰椎の可動性増加
- 臀部筋力強化
- 体幹の筋力強化
です。
腰痛で痺れが出る方は神経による疼痛の可能性があるので病院へ行きましょう。
腰痛の原因
腰痛の原因は
- 骨性
- 神経性
- 筋性
などの種類あります。
骨性
打撲などによって腰の骨が損傷してある場合です。
"圧迫骨折"や"横突起骨折"などと言われるものです。
"尻もちを勢い良く着いた"などの方は、一度病院でレントゲンを撮る必要があります。
骨性の場合、ストレッチなどでは改善しませんので病院へ行きましょう。
神経性
長く腰痛が続いており、足の指が痺れる・足の裏の感覚が鈍いなどの症状がある方は神経性の腰痛の可能性があります。
"腰部脊柱管狭窄症"・"腰椎ヘルニア"などと言われるものです。
ストレッチなどで治る場合もありますが、MRIやCTで神経の状態を確認してからでないと逆効果になることもあるので、病院へいきましょう。
筋性
腰痛のほとんどが筋性かと思います。
上記二つに当てはまらない方は筋性と考えて良いと思います。
なぜ腰の筋肉が痛くなるのか
まず腰の筋肉について理解しましょう。
解剖学
腰には、いくつかの筋肉があります。
- 脊柱起立筋
- 腰方形筋
- 多裂筋
です。
脊柱起立筋は、主に身体を後ろへ逸らしたり、身体を真っ直ぐに保つ際に働きます。
腰方形筋は、身体を側屈するときに働きます。
さらに、姿勢を維持する際や深呼吸をするときにも働きます。
多裂筋は、インナーマッスルと言われる筋肉で、姿勢を維持するために働きます。
筋肉の疲労・オーバーワーク
先ほどの3つの筋肉ですが、画像の通り脊柱起立筋は大きな筋肉です。
腰方形筋・多裂筋は小さい筋肉です。
腰方形筋と多裂筋は、小さい筋肉ですが常に働いていると筋肉です。
腰方形筋と多裂筋は、姿勢を維持するときに働く筋肉で、座っているときや立っている時など重力が身体にかかっている時は、これらの筋肉の働きによって腰の骨が制動されています。
腰方形筋と多裂筋がなければ、腰の骨を真っ直ぐに維持できません。
そのため、非常に疲労の溜まりやすい筋肉となります。
デスクワークなどで、椅子に座っている時も浅く腰掛けていると、腰の骨が後弯(腰を丸める形)状態で上半身の重さが腰にかかります。
前屈みになっていたりすると、腰の骨が前弯(腰をそる形)状態で上半身の重さが腰にかかります。
これらの骨の状態を維持しようと腰方形筋と多裂筋は働いてくれるので、座っている間、筋肉はずっと収縮状態(筋肉が働いている状態)になります。
筋肉の収縮状態とは、筋肉への血流が少なくなっていることになるので、腰方形筋と多裂筋は虚血状態になり、疲労してしまいます。
これが長く続く・毎日繰り返されることにより、腰の筋肉は疲労・オーバーワークを起こしてしまいます。
トレーニングによる腰痛
腰のトレーニングをあまりしていないのに腰痛が出るという方もおられると思います。
腰の筋肉は、どのトレーニングでも働いています。
例えば、サイドレイズであれば座位・立位で上半身を固定します。
このときに、腰方形筋や多裂筋は働いてくれています。
スクワットなどでも同様に腰の筋肉は働いてくれます。
そのため、トレーニングするときは常に腰の筋肉を使っているので、知らないうちに腰のオーバーワークになっていることが多いです。
腰痛の治し方
筋性の腰痛は、腰の筋肉が疲労・オーバーワークしていることが多いので、まず休めましょう。
- 温める
- ストレッチ
- モビライゼーション
温める
休め方として、腰をしっかりと温めて血流をよくします。
先ほども少し書きましたが、腰の筋肉の虚血が生じていますので、血流をよくしましょう。
ストレッチ
腰が暖まれば、ゆっくりとストレッチをしていきます。
腰の筋肉がずっと収縮しているので、ストレッチで伸長させることも重要です。
前屈・側屈・後屈・回旋のストレッチしましょう。
モビライゼーション
モビライゼーションとは、筋肉を他動的に反復的に動かすものです。
マッサージなどと考えていただければ良いかと思います。
このようなフォームローラーなどを用いることで自分でマッサージを行うことができます。
- フォームローラーの上に腰を乗せゆっくりと上下に動きます。
- 体重が乗るので腰にしっかりと圧を加えることができます。
ストレッチとは別にモビライゼーションをする理由は、多裂筋は細かい筋肉になっており、ストレッチではなかなか伸ばしにくいです。
そのため、ストレッチで腰方形筋を伸ばし、モビライゼーションで多裂筋にアプローチするという理由でモビライゼーションを行います。
腰痛の対策
腰痛の原理を理解し、ストレッチなどで直したとしても腰痛予防対策をとっていなければ何度も繰り返してしまします。
腰痛は、対策をしておくことも重要です。
腰痛対策で一番大切なことは"腰への負担を減らす"です。
次に体幹筋力の強化です。
腰への負担の減らし方
- 股関節で腰を助ける
- 脊椎全体の柔軟性を上げる
です。
股関節で腰を助ける
股関節は腰に近い大きな関節です。
股関節が大きく動くことで腰椎への負荷を大きく減らすことができますし、筋力が発達することで腰の筋肉が強く働かなくても良い場面も出てきます。
反対に股関節の固い・弱い方は、股関節で受けるべき負担を腰が負担していることがあるので、腰への負担をかけている場合があります。
股関節の柔軟性を上げるには、長座・開脚・股関節を捻じるストレッチなどを実施することで柔軟性が増します。
さらに、股関節の筋力強化をすることで腰の負担を減らすこともできます。
股関節(臀部)の大殿筋・中殿筋といわれる筋肉は、腰部を助けるのに非常に重要な役割があります。
股関節のストレッチ方法・筋力トレーニングに関しては近日中に別記事で書くつもりです。
脊椎全体の柔軟性を上げる
脊椎は
- 頚椎
- 胸椎
- 腰椎
- 仙椎
で構成されています。
脊椎全体の柔軟性を上げることで、腰にかかる負荷を全体に散らすことができます。
特に胸椎は数も多く可動性が大きいため、重要です。
脊椎全体の曲げる・伸ばす・捻じる運動が重要です。
フォームローラーを使用することで柔軟性の改善が可能です。
仰向きでフォームローラーの上に乗り脊椎全体を一つずつ順番に逸らすように動くことで、主に胸腰椎が伸展しますので可動域が増加します。
仰向きで両膝を抱え込むようにして丸まることで脊椎全体の屈曲の動きを出すことができます。
捻じり運動は、ラジオ体操の様に両手ごとゆっくりと捻じることで可動域練習が可能です。
体幹筋力の強化
腰痛対策として、体幹筋力の強化も非常に重要です。
四つ這い
腰痛の度合いにもよりますが、体幹筋力が非常に弱く腰痛になっている方であれば、"四つ這い"の運動から始めましょう。
- 四つ這いで体幹をまっすぐ保ちます。
- その状態で、片手を地面と水平になるまで上げます。
- このときに身体が捻じれたりしないようにしましょう。
- これを両手・両足をともに実施します。
- 脚の場合は、後方に足を地面と水平になるまで上げます。
フロントプランク
四つ這いができる方は、"フロントプランク"をしましょう。
- 画像の様に、両肘・両つま先をついて身体をまっすぐに保ちます。
- 2-4分を目標に実施しましょう。
サイドプランク
プランクも十分できる方は"サイドプランク"をしましょう。
サイドプランクで側面の筋力も強化します。
- 画像のように目線はまっすぐ前にして、身体を真っすぐに保ちます。
- 1分~2分を目標に実施しましょう。
まとめ
今回は、腰痛の原因・治し方・対策について書きました。
トレーニングをされる方で腰痛の方も多いと思います。
分割法で毎日トレーニングされる方などは、ストレッチ・フォームローラーでケアすることで腰痛が出にくくすることが可能です。
高重量を扱うときでもそうでないときも、腹圧ベルトなどで腰部をサポートすることも重要です。
腰の異常な痛みや痺れがあるときは病院へ行くことをお勧めします。
腰が痛くなりやすい部位ですので、しっかりとケア・対策を怠らないようにしましょう。
ありがとうございました。