ヘルスケア

睡眠の質・必要な睡眠時間とは?

今回は『睡眠の質・必要な睡眠時間とは?』です。

最近では睡眠についてTVでも取り上げられられたり、睡眠の質を上げるサプリメントなども多く販売されています。

睡眠について詳しく知らない方も多いと思うので、質の良い睡眠をとるためにはどうするのか?必要な睡眠時間とは?について解説していきたいと思います。

 

結論

睡眠の質を高めるには

結論

  • 手足が温まってきたタイミングでベッドへ行き眠る。
  • アルコール・カフェインは夜に摂取しないようにする。
  • 睡眠の質(バランス)を整えるために7時間-8時間眠る。

です。

 

睡眠とは

睡眠とは、身体の動きが止まり、外的刺激に対する反応が低下して意識も失われているが、簡単に目覚める状態のことをこう呼んでいる。

Wikipedia引用

日本睡眠学会の定義では、第一条に"睡眠時間は人それぞれ、日中に眠気で困らなければ十分"と書いてあります。

 

人生の1/3は睡眠時間で占められています。

文献によれば睡眠の意義は不明であるそうで、明確にはまだ解明されていないようです。

 

睡眠時の脳内物質

少しマニアックな解説になるので、飛ばしていただいても大丈夫です。

 

プロスタグランジンD2

睡眠時の脳内には、"プロスタグランジンD2"と言われる成分があり、これが脳内に増えることで睡眠が誘発され眠気が起こります。

 

プロスタグランジンD2は脳脊髄液内を循環しており、その作用は第2睡眠物質の"アデノシン"に変換し脳内へ伝達する役割があります。

 

アデノシン

アデノシンは運動時のエネルギーの源であるアデノシン三リン酸が使われた後に作り出してしまう物質の1つです。

 

先ほども書きましたが、プロスタグランジンD2によっても変換され作られます。

 

アデノシンが脳内に増えると、睡眠が誘発されます。

運動した後に眠気が来るのはこのアデノシンのせいです。

 

アデノシンには4種類の受容体があります。

アデノシンの種類

  • A1
  • A2A
  • A2B
  • A3

この中で、A1とA2A受容体が眠気を起こすのに関与していると考えられています。

 

A1受容体は、脳を覚醒(起こす)物質を抑制します。

A2A受容体は、睡眠を誘発する作用があります。

 

カフェイン

カフェインはアデノシン受容体(A2A)と強く結合する性質を持っています。

 

カフェインがアデノシン受容体(A2A)と結合することで、睡眠誘発物質がおさえられるので眠気が少なくなります。

そのため、"カフェインを摂ると眠れなくなる・眠気がなくなる"と言われる由縁です。

 

カフェインについてはこちらでも詳しく書いていますのでご覧ください。

参考
カフェインの効果
カフェインの効果 メリット・デメリット

 

 

GABA

睡眠のサプリメントや通販でGABAというのを見かけたことがある方もおられると思います。

GABAとは脳内物質の1つで、睡眠に関係している物質です。

 

GABAは腹側外側視索前野(VLPO)と呼ばれる場所で、活動している物質で、ヒスタミンと呼ばれる覚醒物質を抑える役割をしています。

 

つまり、ヒスタミンは起きろと脳内に訴えかける物質で、GABAはそれを抑える役割をしています。

そのため、GABAが増加することで眠気が生じます。

 

質の良い睡眠とは

質の良い睡眠とは明確な定義はありませんが、一般的には

質の良い睡眠

  • 深い眠りにつく
  • すぐに寝つくことができる
  • 夜中に目覚めない

と、このようなところかと思います。

 

深い眠りにつく

睡眠は、"REM睡眠""non REM睡眠"に分けられます。

non REM睡眠は徐波睡眠とも言われます。

 

おおよそ90分-120分を1周期としREM睡眠とnon REM睡眠は変わるといわれています。

一晩の睡眠でこの周期が3~4回繰り返されます。

 

その周期の1回目はnon REM睡眠が30-50分と比較的長く維持されます。

それが2回目・3回目となるにつれて、徐々にnon REM睡眠の時間が短くなります。

 

しかし、non REM睡眠の方が深い睡眠だからと言って長ければ質の良い睡眠というわけではないです。

REM睡眠とnon REM睡眠のバランスが非常に重要となります。

 

このバランスが崩れる事が睡眠の質を下げることになります。

REM睡眠>non REM睡眠となるのが良いそうです。

 

睡眠時間を短縮する実験では、REM睡眠<non REM睡眠というバランスになり、交感神経系の亢進・血管内非機能の劣化・脳や心疾患の発症率の増加など睡眠の質(バランス)が崩れることにより健康に影響が出てしまうそうです。

 

しかし、参考文献1)の論文の研究では、起床時間を22時間とし、睡眠時間を8時間確保する生活を8日間実施した研究があります。

 

その結果は、睡眠バランス(REM睡眠とnon REM睡眠の比率)は崩れなかったと報告されています。

 

つまり、睡眠の質を良くするためには起きている時間が長くなっても睡眠時間をある程度確保する必要があります。

 

すぐに寝つくことができる

上手く入眠するためには、眠くなってきている身体のサインを感じ取らなければなりません。

 

当然、眠気が来たタイミングが一番理想ではありますが、ほかにも身体は眠気のサインを出しています。

"手足が温かくなる"です。

 

人間の睡眠時は深部体温が低下します。

深部体温が低下するために、手足より熱放散を行います。

 

つまり、手足が温かくなってきているというのは、深部体温を下げようとしているサインです。

手足が温かくなってきているタイミングでベッドへ行き寝ようとするのは良いかと思います。

 

反対に、冷え性(手足の冷たい)の方は、入眠に時間がかかっているという研究結果も出ておりますので、冷え性の方は一度体温を温めて、少し冷めてきたタイミングでベッドへ行くのが良いかと思います。

 

夜中に目覚めない

ここに関しては、明確なエビデンスは出ていないかと思います。

 

アルコール・カフェインなどを夜に飲んで入眠される方は、アルコールには利尿作用がありますので尿意で起きてしまうことがあるかと思います。

夜中に目覚めないよにするにはアルコール・カフェインは控えましょう。

 

サプリメント

サプリメントを飲み夜中に目覚めないようにされている方もおられるかと思います。

これに関しても明確にエビデンスはあまりないと思います。

 

そのため、飲んで良く眠れると感じる方は飲んでいて問題ないと思います。

 

飲んでも夜中に起きてしまうという方は、明確なエビデンスがないため、サプリメントを無理に続ける必要はないと思います。

 

不眠症

病院で不眠症と診断されている方は、睡眠剤などの内服で睡眠をコントロールする必要があるかもしれません。

 

睡眠の質を高めるのと不眠症では対応が全く異なりますので、不眠症と診断されているような場合は、病院・かかりつけ医などで先生と相談した方が良いと思います。

 

昼間眠いのはなぜか

昼間に眠いことが多いと思います。

これは、"概半日リズム"と言って、前日の睡眠時間の長さには関係なく、14-16時まで眠気が来るように身体がなっています。

 

そのため、昼間に眠たいからと言って前日の睡眠が悪かった・眠れなかったということにはなりませんので理解しておきましょう。

 

睡眠に必要な時間

先ほどの睡眠の質の部分でも書きましたが、睡眠時間に必要な時間は7時間-8時間です。

 

しかし、睡眠は長ければいいというものではありません。

睡眠時間と死亡率を見るグラフでは、U字型を示しています。

 

僕が参考にした文献1)では、7-8時間の睡眠が死亡率が一番低くそれ以上は睡眠時間が延びれば伸びるほど死亡率も上がっていくそうです。

 

つまり、睡眠時間が短い・長すぎると死亡率が増加するそうです。

 

死亡率でみるのは少し極端すぎるかと思いますが、あくまでデータとして捉えてください。

 

7-8時間の睡眠時間であれば、身体の睡眠リズムも整うようです。

毎日7-8時間睡眠時間を摂るのは難しいかもしれませんが、研究データではそれが一番睡眠の質・リズム・バランスが良くなる時間です。

 

まとめ

睡眠の質を良くするには、7-8時間の睡眠をとる必要があります。

 

あとは寝付くまでの時間を短くするため手足の体温に注意することや夜中に目覚めないために夜のアルコール・カフェインは控えるというところかと思います。

 

睡眠は、生きる上で欠かせないものになっています。

そのため、少しでも質を良くするために睡眠について理解することは非常に重要かと思います。

 

まだ明らかになっていない部分も多い分野だと思うので、新しい情報などがあれば随時発信していきたいと思います。

 

ありがとうございました。

 

参考・引用文献

  1. 佐々木  司 ・松 元   俊 労働科学 93 巻 1 号(11)~(23), 2017 J.Science of Labour Vol.93, No. 1 睡眠構築バランス理論からみた 過労死発症モデルについて
  2. 裏出 良博  毛利 育子 脳 と 発 達2006;38:3 睡眠と脳機能
  3. 内山 真、降籏隆二 日温気物医誌第 78 巻 1 号 2014 年 11 月 ヒトの体温調節と睡眠

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