今回は『プライオメトリックトレーニングとは?』です。
プライオメトリックトレーニングはトレーナーではご存じの方も多いと思いますが、競技者やトレーニングされる方はご存じでない方もおられると思います。
今後、よりメジャーになっていくトレーニング方法だと思いますので覚えておくと良いかと思います。
プライオメトリックトレーニングとは
まず、スポーツ競技によく使用される"走る"や"切り返し"などは短時間の間に筋肉が伸張から短縮するという筋肉の収縮様式となります。
走るのが早い方やジャンプ力のある方などは、その筋肉の伸張から短縮を強く行えることがわかっています。
その"筋肉の伸張状態から素早く筋肉を短縮させることを鍛えるトレーニング"をプライオメトリックトレーニングと言います。
どのような効果があるのか?
プライオメトリックトレーニングでは、主に瞬発力の向上を期待することができます。
筋肉の伸張から短縮を素早く行うトレーニングであるので、より競技で役に立つ筋肉の使い方が実施できます。
筋肥大も期待はできますが、筋肥大でいうとエキセントリックでの筋力トレーニングの方が筋肥大効率が良いので筋肥大トレーニングとして行うのは効率が悪いです。
あくまで、競技で役立つ筋肉の使い方というものを会得するためのトレーニングです。
どのような内容か?
プライオメトリックトレーニングの内容は、タバタトレーニングとは違い厳密にメニューが決められているものではありません。
あくまで、筋肉の伸張から短縮を早く実施するというトレーニングです。
一般的に有名なのが"ドロップジャンプ"です。
- 高さ30-60cmの台に乗ります。
- その台から降ります。
- 降りた反動を利用しジャンプします。
- できるだけ足底の設置時間を短く、かつ高くジャンプするようにします。
このようにより素早く筋肉を収縮させるというトレーニングです。
注意点
基礎筋力が必要
プライオメトリックトレーニングを行ったからと言って、急に走るのが早くなるやジャンプ力が急激に伸びるということではありません。
今ある筋肉・筋力を最大限使えるようにするトレーニングなので、基礎筋力のない方がプライオメトリックトレーニングを実施したからといって急激な成長をすることはありません。
ベースの筋力は、しっかりと筋肥大トレーニングを実施して筋肉を付ける事が必要です。
負荷が高い
プライオメトリックトレーニングは自重などで行うことも多く、急激な筋肉の収縮を行うトレーニングですので筋肉への負荷・負担が大きいトレーニングです。
そのため、ケガのリスクというのは高いです。
疲労が高い状態で負荷の高い(重りの使用や自重)プライオメトリックトレーニングを行うことがケガに繋がりますので注意しましょう。
おすすめのプライオメトリックトレーニング
いくつかおすすめのプライオメトリックトレーニング方法をご紹介します。
臀部
ブルガリアンスクワット+プライオメトリックトレーニング
- 画像の様に後ろ足を高いところにおいてのスクワット(ブルガリアンスクワット)をします。
- 膝関節は曲げれるだけ曲げます。
- 深く膝を曲げた状態から前足だけでジャンプをします。
- このときできるだけ高くジャンプしましょう。
- 連続ジャンプを10回実施します。(左右ともに実施する)
余裕のある方は、ジャンプの方向を左右にすることでより臀部のインナーマッスルに効かせることができます。
このトレーニングは、臀部を主に使用するブルガリアンスクワットにプライオメトリックトレーニングを加えています。
大殿筋だけではなく中殿筋なども着地の際にバランスをとるため強く働きますので、臀部~ハムストリングスの収縮トレーニングになります。
切り返し動作やストップ&ゴーなどを使用する競技者におすすめです。
exサッカー・バスケ・ラグビーなど
股関節屈曲筋・膝
スプリットスクワット+プライオメトリックトレーニング
- 足を前後に開いた状態で両膝を曲げます。
- この状態からジャンプします。
- 空中で前後の足を入れ替えます。(最初右足が前なら、空中で左足を前・右足を後ろにします)
- 着地の際は、なるべく地面スレスレまで膝を曲げます。
- このジャンプを10回実施します。
スプリットスクワットの状態からのジャンプで、膝関節周囲を鍛え、空中で足の前後を入れ替えることで腸腰筋・内転筋を素早く収縮させることができます。
走る動作に直結しますので、どのスポーツ競技者にもオススメです。
まとめ
今回はプライオメトリックトレーニングについて解説しました。
最近、スポーツ競技者も様々なトレーニングを行い、フィジカル面の強化が必要となってきています。
その中でもより、質の高いトレーニングをしていくことが必要になるので、このプライオメトリックトレーニングは自分の持っている筋肉を最大限使えるようにするためのトレーニングです。
今までしていたトレーニングの中にもプライオメトリックトレーニングが取り入れられていたかもしれません。
しかし、なんとなくプライオメトリックトレーニングを実施するよりも理論を理解して行う方が、トレーニングの質が高まります。
スポーツ競技者の方はより質の高いトレーニングをするためにプライオメトリックトレーニングも取り入れていきましょう。
ありがとうございました。