今回は『ファンクショナルトレーニング』です。
海外では、ファンクショナルトレーニングは当たり前のようになっています。
最近、日本のジムなどにもファンクショナルトレーニングエリアのスペースができてきたりと徐々に流行しています。
ファンクショナルトレーニングとは?
ファンクショナルトレーニングの言葉の意味としては
ポイント
ファンクショナル=機能的な
という意味です。
"機能的なトレーニング"ということになります。
従来のトレーニングは、主に筋肥大を目的としたトレーニングになります。
ファンクショナルトレーニングは、筋肥大ではなく動きのトレーニングという風に考えるのがわかりやすいと思います。
そのため、ファンクショナルトレーニングを続けても筋肥大してバキバキの身体というのは難しいと思います。
しかし、ファンクショナルトレーニングでスリムな身体・動ける身体を作ることは可能かと思います。
ファンクショナルトレーニングの5原則
ファンクショナルトレーニングには5つの原則があります。
重力を利用する
従来のトレーニングでは、ダンベルなどの重りを主に使用しますが、ファンクショナルトレーニングは重力を主に使用してのトレーニングとなります。
協同と分離
身体は動きの中で、固定する部分と動かす部分が生じます。
バンザイの動きで例えると、骨盤は比較的固定されていますが、肩や腕は動きます。
このように、協同して固定する部分と分離して動かす部分をしっかりと分けることが機能的な動きとなります。
運動連鎖
運動連鎖とは、動作の中で身体全体を使い連鎖的に動かすことで、よりパワーを出すことができます。
3面運動
人間の身体の動きは3面で表現されます。
専門用語でいうと
- 水平面(地面と水平の面 ex.身体を輪切りにする面)
- 矢状面(正中に沿って身体を左右に分ける面 ex.身体を正面から真っ二つに切られる面)
- 前額面(身体を前後に分ける面 ex.横から身体を前後真っ二つに切られる面)
の3面があります。
少し難しいので、簡単に動きでいうと
- 腕を前後に上げる動き
- 腕を横に上げ下げする動き
- 腕を捻る動き
の3つです。
吸収と発揮
動作は、力を吸収してから発揮するというといわれます。
ジャンプ動作では、まずしゃがむように姿勢を低くして力を吸収します。
そして、その後に力を発揮して飛び跳ねます。
このように、力を吸収して発揮するという一連の動作で力を大きくします。
ファンクショナルトレーニングの効果
ファンクショナルトレーニングの効果としては、スポーツを競技者であれば強く実感できると思います。
その理由は、同じ筋力でもファンクショナルトレーニングをすることで力に差が出ます。
いわゆる身体の使い方が上手いというような感じです。
個人的には、運動神経が良いと言われる人はファンクショナルトレーニングの基礎が上手くできていると思います。
サッカー選手の長友佑都選手は、体幹トレーニングを良くされていることでも有名です。
長友選手がされている体幹トレーニングはファンクショナルトレーニングを取り入れているものも多いです。
そのため、そこまで身体は大きくないですが、世界でも戦える選手であると思います。
ファンクショナルトレーニングの進化
ファンクショナルトレーニングは、先程の原則に従っていればファンクショナルトレーニングと呼ばれるので厳密に、このメニューと決められているわけではありません。
最近では、軽めの重りを用いながらファンクショナルトレーニングをすることもあります。
さらに、バランスマットやストレッチポールやゴムチューブなど様々な道具を使うファンクショナルトレーニングもあるそうです。
そのため、完全に原則に従っていなければならないということでもないのかもしれません。
ファンクショナルトレーニングのメニュー例
簡単ではありますが、少しだけファンクショナルトレーニングのメニューをご紹介します。
シングルデッドリフト
- 片脚で立ち、軽く膝を曲げます。
- 背筋を伸ばして、膝は最初のままで股関節を曲げ地面を触るように上体を前に倒しながら手を伸ばします。
- 地面に手が触れたら1の姿勢までゆっくりと戻ります。
15-20回程度
左右2セットずつ実施します。
プランクトレーニング
画材のような形でうつ伏せの状態から肘・つま先で支えて身体を浮かせます。
通常のプランクトレーニングはこのままですが、ファンクショナルトレーニングはここから動きを入れます。
- 片足を浮かせ、カエルの足のように外側へ動かして右肘と右膝を付けます。
- そして、ゆっくりと足を元の位置に戻します。
15-20回程度
左右2セットずつ実施します。
これらのように、一部を固定させ一部を動かすというのを徹底しているのがファンクショナルトレーニングの特徴かと思います。
原則に当てはめる
シングルデッドリフトは、ファンクショナルトレーニングとしては一般的なメニューです。
シングルデッドリフトを原則に沿っているか考えてみます。
重量を利用する
これは自重でのトレーニングなので当てはまります。
協同と分離
膝〜足・体幹は協同で固定し、股関節は分離で動かしています。
運動連鎖
下半身・体幹・手を伸ばす腕まで全身を使っているので連鎖的に動いています。
3面運動
- 身体を前に倒す動き
- 身体を前に倒す際に身体がわずかに捻れる動き
- 左右に揺れないようにバランスを取る動き
と3面の動きとなっています。
吸収と発揮
前に身体を倒す際に吸収し身体を起こす際に発揮と対抗する力を出しています。
このようにファンクショナルトレーニングとしての原則には従っております。
個人的な見解
僕の個人的な見解ですが、ファンクショナルトレーニングは、身体の一部を固定して、他を動かすという動きができていれば概ねファンクショナルトレーニングになると思います。
その中で、重り・ゴムチューブなどの道具を用いてトレーニングすることで負荷を高めるというのは非常効果的だと思います。
あくまで機能的なトレーニングなので、身体の一部を固定して、身体の一部を動かすことを必要としますが、道具を使うことはありだと考えています。
まとめ
フィットネス分野は比較的、遅れている日本でもファンクショナルトレーニングはこれから日本でも大きく飛躍すると思います。
- スポーツする方
- 身体をシェイプアップしたい方
- 動ける身体を作りたい方
などを目的とする方は是非、ファンクショナルトレーニングを取り入れていきましょう。
ありがとうございました。