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ストレッチの基本・効果【解説】

今回は『ストレッチの基本・効果』です。

ストレッチは誰もが実施する身体のケアですが、イマイチどのような効果があるのか?など理解が深くなく実施していることも多いと思います。

 

今回はストレッチの基本・効果について解説していきたいと思います。

 

結論

結論

ストレッチは

  • 関節の可動域を柔らかくするための運動
  • 低負荷・長時間ストレッチが良い
  • ストレッチの強度・ストレッチポジションについては適正なものはまだ不明
  • 可動域を維持するにはストレッチ頻度は週2~3回程度

 

今回は1)の文献を読んでストレッチについて解説させて頂きます。

1つの文献ですが、システマチックレビューと言い、数多の文献をまとめたものなので信憑性は高いかと思います。

 

ストレッチとは?

ストレッチとは、主に

Stretching refers to a movement applied by an external and/or internal force in order to increase one's joint range of motion i.e., flexibility.

1)文献引用

翻訳

ストレッチとは、関節の可動域、すなわち柔軟性を高めるために、外力および内力によって行われる運動のことです。

 

外力(人に行ってもらう)内力(自分で行う)とどちらでもストレッチと言えます。

 

Forms of stretching include active, passive, dynamic, static, ballistic, and proprioceptive neuromuscular facilitation (PNF) .

1)文献引用

翻訳

ストレッチの形は、能動的、受動的、動的、静的、弾道的、および proprioceptive neuromuscular facilitation (PNF)が含まれます。

と、ストレッチには様々な形があります。

自分で行うストレッチ、その中でも反動をつけて行うストレッチゆっくりと伸ばすストレッチなど様々な方法があります。

 

ストレッチのメカニズム

ストレッチによりなぜ筋肉が伸びるのかのメカニズムですが、文献には

Stretching depends on the active and passive tension of the muscle, the musculo-tendinous unit (MTU), as well as the proprioceptors of the musculoskeletal system, the muscle spindles, and the Golgi tendon organs.

1)文献引用

ストレッチは、筋の能動的および受動的な張力、筋腱単位(MTU)、および筋骨格系のプロプリオセプター・筋紡錘体・ゴルジ腱器官に依存します。

 

と書かれています。

 

わかりやすく言えば、筋肉には様々な感覚の器官があり、その器官が筋肉の伸び(ストレッチ)を感じることで筋肉が伸びるということになります。

 

つまり、筋肉を伸ばすと言うよりも、筋肉に付いている感覚器官に刺激を入れることが重要となります。

 

筋肉の感覚器官

筋肉の感覚、ストレッチ時に重要な感覚器官の一つにゴルジ腱器官というものがあります。

 

ゴルジ腱器官は、"腱"の中に存在しています。

 

腱とは?

"腱"というのは、骨と筋肉(筋腹)を繋ぐ組織です。

 

有名なものであればアキレス腱などです。

アキレス腱は、ふくらはぎの筋腹と踵の骨を繋いでいる重要な組織になります。

 

アキレス腱が切れるとふくらはぎの筋肉の力が全く伝わらなくなるため、歩くことが難しくなります。

 

腱とは筋肉の力を骨に伝えるための重要な役割を果たしています。

 

ゴルジ腱器官

先ほども書きましたが、ゴルジ腱器官は腱の中に存在しています。

 

そして、腱が伸ばされるとゴルジ腱器官が反応して、腱が繋いでいる筋肉に「伸びてください」と信号を送ります。

 

そうすることで、筋肉は伸びようとして柔らかく伸びていくということになります。

 

ストレッチに重要なこと

ストレッチに重要なこととしては以下のような記載があります。

In the literature, four stretch parameters have been identified as being important for potentially influencing the increase or decrease of flexibility of a joint: intensity, duration, frequency , and stretch position.

1)文献引用

翻訳

関節の柔軟性の増減に影響を与える可能性のあるストレッチのパラメータとして、持続時間・頻度・強度・およびストレッチポジションの4つのパラメータが重要であることが確認されています。

 

持続時間・頻度・強度・ストレッチポジションが重要と言われています。

 

持続時間

持続時間とは、ストレッチを実施している時間のことです。

 

In the study conducted by Light et al. it was observed that use of a low-load prolonged stretch was found to be superior to a high-load brief stretch in treating knee contractures in 11 elderly patients.

1)文献引用

翻訳

Lightらが実施した研究では、11人の高齢者患者の膝関節拘縮の治療において、低負荷の長時間ストレッチの使用が高負荷の短時間ストレッチよりも優れていることが観察されました。

と、比較的長い時間じっくり伸ばすストレッチの方が効果は高いようです。

 

この引用されていた文献では10分間のストレッチと書いていましたので、10分のストレッチは長時間のストレッチと言えるようです。

 

強度

ストレッチの強度というのは、どのくらいの強さでストレッチを行うか?ということになります。

 

力いっぱい伸ばすのか? 気持ちが良い程度に伸ばすのか?

と疑問に思うことは多いかと思います。

 

For instance, too little force may result in an elastic response with little or no gain in ROM (Jacobs and Sciascia, 2011), while the application of too much force may injure the tissue, leading to an inflammatory response (Brand, 1984; McClure et al., 1994).

1)文献引用

翻訳

力が少なすぎると、関節可動域練習の効果がほとんどないか、または全く得られない可能性があり、一方、力が強すぎると組織を損傷し、炎症反応を引き起こす可能性があります。

 

The study by Apostolopoulos et al. (2015b) comparing various stretch intensities based on an individual's maximum ROM (mROM) concluded that stretches between 30 and 60% mROM (gentle stretch intensity) did not cause inflammation, whereas a stretch of 90% mROM (pain) caused inflammation.

1)文献引用

翻訳

個人の最大関節可動域に基づいて様々なストレッチ強度を比較したApostolopoulosらの研究では、30~60%のmROM(穏やかなストレッチ強度)のストレッチは炎症を起こさないが、90%の最大関節可動域(痛い)のストレッチは炎症を起こすと結論づけています

 

などと、力いっぱいストレッチを行うことは炎症を引き起こすというようなデメリット(ケガに繋がる)ことがあります。

 

かといって、弱くストレッチしても効果はないので、ほどほどの強さで行うということが良いかと思います。

 

ストレッチポジション

ストレッチポジションとは、ストレッチ時の姿勢のことです。

 

例えば、ハムストリングス(太もも裏)を伸ばすには、長座で前屈するのが良いのか?

立ったまま前屈するのが良いのか?というようなことです。

 

これに関しては

In addition, due to the lack of good quality studies, it is difficult to draw conclusions about the effects of stretching intensity and/or position on the observed effects of stretching.

1)文献引用

翻訳

ストレッチの強度およびストレッチポジションがストレッチの観察された効果に与える影響について結論を出すことは困難です。

 

と結論を出すことは難しいようです。

 

ストレッチの強度に関しても、適切な強さというのは指定が難しいようです。

 

そのため、ストレッチのポジションは自分の行いやすい姿勢

強度はほどほど(軽い伸張痛がある程度)にストレッチを行うことが良いかと思います。

 

ストレッチの頻度

ストレッチの頻度は、ストレッチを週にどれくらい実施すれば良いのか?ということです。

 

The study by Rancour et al. (2009) suggested that intermittent stretch training (i.e., 2 or 3 times per week) was sufficient to maintain ROM gains acquired from a static stretching programme.

1)文献引用

翻訳

Rancourら(2009)の研究では、静的ストレッチプログラムで可動域増加を維持するには、断続的なストレッチトレーニング(週に2~3回)で十分であることが示されています。

 

と可動域を維持するには週2~3で十分と書かれいます。

 

しかし、可動域を"増加"するには、毎日実施することが望ましいと思います。

 

高齢者にもストレッチは重要

高齢になってくると関節可動域も狭くなります。

 

関節可動域が狭くなることで、転倒に繋がったり生活動作が困難になるなど日常生活が不便になります。

若い方だけでなく、高齢者の方にもストレッチは重要です。

 

With the elderly population, the greatest concern with stretching is increasing the movement of the lower limb in order to improve gait and mobility (Christiansen, 2008; Cristopoliski et al., 2009).

1)文献引用

翻訳

高齢者の場合、ストレッチの最大の関心事は下肢の動きを増やし、歩行の可動性を改善します。

 

ストレッチをするだけでも歩行の可動性を改善する効果も期待できるので、高齢者も積極的にストレッチをする必要はあるかと思います。

 

まとめ

今回はストレッチの基礎・効果について解説しました。

 

スポーツする方・健康維持をしたい方など筋力を十分に発揮するためやケガ予防の面においてもストレッチは重要ですし、老若男女すべての方にストレッチは重要です。

 

毎日、コツコツとストレッチを継続してケガの予防・健康維持をしていきましょう。

 

ありがとうございました。

 

参考・引用文献

  1. Nikos Apostolopoulos The relevance of stretch intensity and position—a systematic review Front Psychol. 2015; 6: 1128.

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