今回は『ローテーターカフの鍛え方』です。
野球などのオーバーハンドスポーツや筋トレをされる方でローテーターカフを鍛えたいと思う方も多いかと思います。
ローテーターカフは、しっかりと綺麗なフォームでトレーニングを行わないと、三角筋などの他の筋肉に刺激が入りローテーターカフが上手く鍛えられないことが多いと思います。
今回は、ローテーターカフを上手く鍛える方法を解説していきます。
ローテーターカフとは
ローテーターカフとは、英語では"rotator cuff"と書きます。
日本語では、回旋筋腱板や腱板などと言われます。
ローテーターカフは、4種類の筋肉で構成されており
ローテーターカフの種類
- 棘上筋
- 棘下筋
- 小円筋
- 肩甲下筋
の4つ構成されています。
それぞれの役割は異なるのですが、ローテーターカフ全体の役割は、肩関節を安定させるという役割になります。
肩関節を安定させる
ローテーターカフの役割は、肩関節を安定させるということなのですが、あまり意味が分からない方もおられると思います。
ポイント
肩関節は、上腕骨頭(凸側)と肩甲骨の関節窩(凹側)で構成されています。
イメージで言うと
- 上腕骨頭がゴルフボール
- 肩甲骨の関節窩がゴルフボールを乗せるティー
というイメージです。
上腕骨頭は、狭い面積の受け皿に乗っているだけというイメージです。
そのため、関節は非常に不安定です。
その不安定な関節を安定させるのが、靭帯やローテーターカフのような筋肉で安定させます。
靭帯に関しては、コントロールして鍛えるということが困難なため、肩の安定性を向上させるために鍛えられるのはローテーターカフということになります。
ローテーターカフを鍛えることで、関節窩から上腕骨頭がはみ出さないように、ローテーターカフで抑える(制動する)ことができます。
上腕骨頭は、関節窩の適切な位置に存在することで強い力を出すこともでき、肩への負担も減らすことが可能です。
ローテーターカフが弱いとどうなるか?
ポイント
ローテーターカフが弱い場合は、肩がゴリゴリと音が鳴ったり、無理にトレーニングやボールを投げるような練習を続けているとローテーターカフの損傷が生じる恐れがあります。
さらに、関節唇という関節の周りにある組織も損傷させるおそれもあるので、ケガのリスクが非常に高くなります。
他にも怪我だけでなく、肩の力がしっかりと出せないなどデメリットばかりです。
ローテーターカフを鍛えるのは難しい
最初にも記載しましたが、ローテーターカフを鍛えるのは非常に難しいです。
理由は、ローテーターカフは小さい筋肉なので、代償動作が入りやすいからです。
筋肉を鍛えるというと、多くの方は重たい重りを持ち上げる。というイメージだと思います。
ローテーターカフは、肩を安定させるという役割ですので重たい重りを持ち上げることでは鍛えられにくいです。
ポイント
しっかりと軽めの負荷で、ローテーターカフに刺激をいれることが大切です。
軽めの負荷ですが、ローテーターカフは小さい筋肉ですので、しっかりと刺激が入れば軽い負荷でもかなりきついです。
この辺りを勘違いしてしまうとローテーターカフを上手く鍛えることができないので、注意が必要です。
ローテーターカフのトレーニング方法
ローテーターカフは4つの筋肉で構成されています。
役割としては肩を安定させると同じなのですが、筋肉により役割も微妙に異なる部分があるのでそれぞれ鍛え方を紹介します。
棘上筋
棘上筋は肩関節の外転で鍛えることができます。
棘上筋トレーニング方法
- 脚幅は肩幅で立ちます。
- 腕を斜め前方向に上げます。
- この時、親指を下向きにして、小指から上げるようにします。
- 腕を下ろします。
※2~3の繰り返し
肩がすくまないように注意しましょう。
動きとしては、サイドレイズと似ていますが親指を下向きにするのがポイントです。
重りはとても軽いと感じる程度の重さで大丈夫です。
重たい重りだと、三角筋に刺激が入り棘上筋への刺激が少なくなります。
棘下筋上部
棘下筋は、セラバンドなどで鍛えることをおすすめします。
棘上筋上部のトレーニング方法
- 立位・座位どちらでも可能です。
- 両肘を体幹に付けます。
- 肘を90°に曲げて、手のひらを上向きにしてセラバンドを持ちます。
- 肘が身体から離れないように両手を外に開きます。
ポイント
肩甲骨がなるべく動かないように壁などにもたれながら行うと良いです。
肩甲骨を固定して棘下筋に刺激が入るよう、肩の外旋動作だけ行うように注意しましょう。
棘下筋下部・小円筋
棘下筋下部・小円筋もセラバンドでトレーニングを行います。
棘下筋下部・小円筋のトレーニング方法
- 椅子に座り、テーブルに肘を乗せます。
- 肘を身体の前にし、90°に曲げます。
- 手のひらを自分の方に向けてセラバンドを持ちます。
- テーブルに置いている肘が動かないように手を外に開きます。
- 手を開いた後は、ゆっくりと戻します。
最初、可動範囲は少ないかと思いますが大丈夫です。
肩甲骨・肘が最初のポジションから動かないように注意しましょう。
肩甲下筋
肩甲下筋もセラバンドを使用するとトレーニングがしやすいです。
片手ずつが行いやすいです。
肩甲下筋のトレーニング方法
- 立位・座位どちらでも可能です。
- 肘を体幹に付けます。
- セラバンドをどこかへ固定します。
- 肘を90°に曲げて、手のひらを上向きにしてセラバンドを持ちます。
- 肘が身体から離れないように、へその方向に手を動かします。(内旋させます。)
- 手がへそ付近まで近づいたらゆっくりと最初のポジションへ戻します。
棘下筋と反対の動きを行います。
力を入れすぎると大胸筋が収縮してしまうので、軽めの負荷で反復して行いましょう。
まとめ
今回は、ローテーターカフの鍛え方を解説しました。
肩のインナーマッスルなので、軽い重りやセラバンドを使用する方が鍛えやすいです。
セラバンドも高価なものではないので、安全にトレーニング・パフォーマンス向上させたい方は購入することをオススメします。
ローテーターカフは、刺激を入れるのが難しいので、ローテーターカフへの刺激の感覚がつかめるまで丁寧にトレーニングを行いましょう。
安全にトレーニング・パフォーマンス向上されるために、しっかりとローテーターカフを鍛えましょう。
ありがとうございました。