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インナーマッスルとは?【解説】

今回は『インナーマッスルとは?』です。

インナーマッスルという言葉は良く耳にしますが、きちんとインナーマッスルについて理解できている方は少ないかと思います。

 

インナーマッスル=固定するもの という概念が多く広がっているので、インナーマッスルの役割はそれだけではないことも広まって欲しいので解説していきます。

インナーマッスルとは?

インナーマッスルとは、英語で"inner muscle"と書きます。

文字通り、中の筋肉という意味です。

海外では、local muscle(ローカルマッスル)・deep muscle(ディープマッスル)などとも呼ばれたりします。

 

インナーマッスルは、深層部にある筋肉を指す場合が多いです。

インナーマッスルがある関節は?

インナーマッスルがある関節は

  • 肩関節
  • 股関節
  • 体幹

がメジャーかと思います。

インナーマッスルの役割

インナーマッスルの役割は、"安定させる"ということが主な役割です。

"固定させる"でも間違いではないと思いますが、"安定させる"の方が適切かと思います。

肩関節

肩関節のインナーマッスルは"腱板"・"ローテーターカフ"と呼ばれる4つの筋肉です。

  • 棘上筋
  • 棘下筋
  • 肩甲下筋
  • 小円筋

これらの4つの筋肉が、上腕骨の頭の部分を上下左右どの方向にも過剰に動かないように安定させています。

 

この腱板が機能しなくなるのが腱板断裂と言われる疾患です。

腱板断裂は腕を上げたりする動作が困難になります。

 

腱板が断裂し、インナーマッスルが機能しなくなることで上腕骨が過剰に動いてしまい、他の骨にぶつかったり、引っ掛かりが生じ、腕が上がらなくなります。

股関節

股関節のインナーマッスルは

  • 内閉鎖筋
  • 外閉鎖筋
  • 上双子筋
  • 下双子筋
  • 大腿方形筋
  • 梨状筋
  • 小殿筋
  • 中殿筋
  • 腸腰筋(体幹部にも入る)

と多く存在します。

 

股関節は荷重関節と言われる、荷重(体重)がかかる関節です。

 

股関節のインナーマッスルも股関節を安定させる役割があります。

 

片足立ちをした際に、ふらっとすることがあると思います。

インナーマッスルがしっかりと機能していればバランスを崩したり、ふらつくことが軽減されます。

 

さらに、野球・ゴルフなどのスイング動作では特に股関節の外旋筋・殿筋群を多く使うので股関節のインナーマッスルで安定させることは非常に重要と言えます。

体幹

体幹のインナーマッスルは

  • 腸腰筋
  • 腹横筋
  • 多裂筋

体幹のインナーマッスルの役割は、安定させることはもちろん、細分化されて役割があります。

 

日本整形外科スポーツ医学学術集会に行った際に、大久保 雄先生の講義で体幹のお話をされており、その講義内容とよく似た文献を見つけたので参考・引用しながら解説していきます。

Early activity

ジャンプ動作時に腹横筋は外腹斜筋や腹直筋よりも有意に早く活動し、蹴り出し期にて大きな地面反力を受ける準備段階として働く。

2)文献引用

体幹インナーマッスルのEarly activityは動作前の体幹の準備として働きます。

最初に体幹を固定して、その後に四肢を動かすという順番です。

 

体幹を固定する前に、四肢が動いては、全身の力をうまく使えないため、まず体幹が先行して動きます。

 

これは肩関節も同様の動きをします。

ばんざいをする際、最初に腱板が働き、その後に方のアウターマッスルが働き始めます。

 

Tonic activity

ローカル筋は歩行など負荷の低い反復運動や姿勢制御を行う際には、低い筋活動量を保ちながら持続的 に活動する。

2)文献引用

歩くなどの動作で軽負荷の動きでも、体幹のインナーマッスルは働きます。

体幹のインナーマッスルによる支えがなければ、腰椎への負担・四肢へのエネルギーの伝達などが上手く作用しないためです。

 

Tonic activityという役割で長時間を低負荷で体幹を安定させ続けます。

 

Phasic activity

ランニングなど負荷の高い運動では、ローカル筋とグローバル筋は共同収縮を示す相かつ筋活動量が著明に低い相の両者が混在する。

2)文献引用

ジャンプをする瞬間のような強い力を入れる瞬間もPhasic activityになります。

 

負荷の高い動作(ランニング・ジャンプなど)の場合はTonic activityでは安定性が足りません。

そのためPhasic activityと呼ばれる強く体幹を安定させる働きで高い負荷に耐えます。

 

Phasic activityでは、インナーマッスルだけでなくアウターマッスルと共同し、体幹を安定化させます。

Pasic activityはTonic activityの様な持続的な役割ではなく、短い時間の役割なのでon/offの切り替えを行うことで、動きを安定させます。

 

このように各部位でインナーマッスルの役割はありますが、主には関節を"安定させる"という役割となっています。

腰痛の改善

腰椎などの体幹を安定化させることで痛みの軽減などの効果もあります。

 

Long term results of various studies seem to indicate that specific lumbar stabilizing therapy as a single therapy or combined with other treatments can reduce the intensity of the pain and disability in low back pain (LBP)  and pelvic girdle pain patients  and prevent recurrent pain episodes.

1文献引用

翻訳

様々な研究の長期的な結果から、腰部安定化療法(腰椎の周りの筋肉の活性化)を単独で、あるいは他の治療法と組み合わせて行うことで、腰痛(LBP)や骨盤帯痛患者の痛みや障害の強度を軽減し、痛みの再発を防ぐことができることが示されています。

過可動による疼痛であれば、安定化させ制動すれば疼痛が改善するということです。

安定化させるという役割

インナーマッスルの主な役割は、"固定ではなく安定化"です。

 

固定するというのは、固めてしまうということになりますが、体幹は動かなくなるわけではありません。

もし、体幹が動かないことが良いのであれば、ギプスで体幹を固めるというようなことが流行すると思います。

 

体幹をインナーマッスルで安定化させる動きを固めるのではなく、安定化つまり制動することでバランス機能の向上・四肢の動きを最大限に引き出すということが可能となります。

 

動作の中で固めるのではなく、安定させることがインナーマッスルの役割です。

まとめ

今回はインナーマッスルについて解説しました。

 

各関節インナーマッスルの細かな役割は違いますが、安定化させるという大きな役割は同じです。

インナーマッスルを鍛え、動きの中で関節を安定させることでパフォーマンスの向上を目指しましょう。

 

ありがとうございました。

参考文献

  1. Veerle K Stevens Trunk muscle activity in healthy subjects during bridging stabilization exercises BMC Musculoskelet Disord. 2006; 7: 75
  2. 大久保 雄 体幹筋機能のエビデンスとアスレティックトレーニング 日本アスレティックトレーニング学会誌 第 5 巻 第 1 号 3-11(2019)

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