今回は『L-カルニチンの効果とは?』です。
L-カルニチンについてご存じでしょうか?
トレーニング上級者はサプリメントで摂取している方も多いと思います。
L-カルニチンは、トレーニングされている方だけでなくダイエットしている方にも非常にオススメです。
トレーニングされる方・ダイエットされる方のボディメイクの一つとしてL-カルニチンについて知っておくと有利になると思います。
L-カルニチンについて詳しく解説させていただきます。
結論
脂肪
L-カルニチンが不足すると脂肪が燃焼されにくくなります。
L-カルニチンとは?
L-カルニチンは、カルニチンの中の一つです。
カルニチンは、必須アミノ酸のリジン・メチオニンから肝臓・腎臓で合成されます。
そのほとんどが身体の筋肉に存在しています。
カルニチンは
- L-カルニチン
- D-カルニチン
- DL-カルニチン
と種類があります。
D-カルニチンは、不活性化のカルニチンで他のカルニチンの役割を邪魔してしまいます。
DL-カルニチンは、食欲亢進作用があり胃薬として使用されています。
L-カルニチンどの食材に含まれる?
L-カルニチンは、主に肉類に多く含まれています。
100g当たりのL-カルニチンの量
- 牛肉 95g
- 豚肉 28g
- 鶏肉 3.5g
- 魚 5.8g
と牛肉に多く含まれています。
L-カルニチンの必要摂取量
L-カルニチンの必要摂取量というのは、詳しく決まっていないと思われます。
摂取目安量としては
- スイス 1000mg/日
- アメリカ 20mg/kg/日
厚生労働省は1日の摂取上限量を1000mgとしています。
特定非営利活動法人 日本食品機能研究会では、1日6g以上の摂取で下痢などを起こすともいわれています。
L-カルニチンの効果
脂肪燃焼効果
L-カルニチンは、脂肪燃焼効果があります。
そのメカニズムとしては、身体の脂肪は体内の酵素により脂肪酸に変換されます。
そして、脂肪酸をミトコンドリアが取り込みエネルギーとして活用します。
そのようにして、脂肪をミトコンドリアでエネルギーに変換し燃焼させます。
そのため、L-カルニチンは脂肪燃焼効果を高める効果があるとして認められています。
文献によるレビュー
L- カルニチンの補給による筋カルニチン蓄積量の増加は、低強度運動での脂質酸化量の増加、高強度運動での糖質酸化の促進と乳酸蓄積量の減少を促進し、持久性運動の疲労の発生を遅らせる。
1)より引用
2g/ 日を分割して2週間または4週間投与した場合、VO2maxにも基質代謝にも効果は認められなかった。
2)より引用
カルニチンサプリメント24週間2gのL-カルニチン 80g の糖質摂取を2 回/日は、筋カルニチンを 21% 増加させ、最大下自転車運動中の筋グリコーゲン利用を55%減少させ、高強度自転車運動中の代謝流量の均衡を改善し 、30分のオープン強度のパフォーマンステスト中 の仕事量を11%増加させた。
3)より引用
1日に3gのカルニチンを3週間摂取した群は、非摂取群に比べて筋肉痛を著しく低く感じている。
4)より引用
など、脂肪燃焼だけでなく、"持久力の増加"や"疲労低下"のレビューも存在しています。
注意点
L-カルニチンを摂取しても、エネルギーを使わない生活をしていれば脂肪をエネルギーとして使ってくれることはありません。
そのため、L-カルニチンを摂取し"運動"をすることでよりL-カルニチンの効果が高まり、脂肪燃焼が進みます。
L-カルニチンだけに頼るのではなく、あくまで脂肪燃焼の効果を高める"補助"として摂取しましょう。
L-カルニチンの摂取については、牛肉を食べるなど食事からの摂取で過剰摂取になることはあまりないです。
サプリメントで摂取する場合には、脂肪燃焼させたいために"過剰摂取"にならないように注意しましょう。
まとめ
L-カルニチンは、脂肪燃焼作用の増加や疲労軽減など様々な効果があります。
ダイエットされる方にとっても少しでも脂肪燃焼の効率をよくするために摂取することをオススメします。
L-カルニチンをうまく摂取して、理想のボディメイクができるようにがんばりましょう。
ありがとうございました。
参考・引用文献
- 近藤衣美 直接的にパフォーマンスを向上させるサプリメントの科学的根拠 Evidence of supplements to improve performance directly Journal of High Performance Sport 5(2020)93-105
- Greig C, Finch KM, Jones DA, Cooper M, Sargeant AJ, Forte CA. The effect of oral supplementation with l-carnitine on maximum and submaximum exercise capacity. Eur J Appl Physiol Occup Physiol, 56(4): 457-460, 1987.
- Wall BT, Stephens FB, Constantin-Teodosiu D, Marimuthu K, Macdonald IA, Greenhaff PL. Chronic oral ingestion of l-carnitine and carbohydrate increases muscle carnitine content and alters muscle fuel metabolism during exercise in humans. J Physiol, 589(4): 963-973, 2011.
- 田島 眞 L-カルニチン-注目の生体内アミノ酸- 日本調理科学会誌/37 巻 (2004) 1 号 p. 104-107